民泊を運用する上で、チェックイン業務は避けては通れません。しかし、その方法とはホテルや民宿と同じ流れで良いのか気になるものです。
この記事では民泊におけるチェックイン業務とは何かについてわかりやすく解説します。記事を最後まで読むと、チェックインの流れや必要事項がわかります。
チェックインがスムーズにできることはゲストの満足度に直結するため、ぜひ最後まで読んで民泊運用に役立ててください。
民泊におけるチェックイン業務とは?
民泊におけるチェックイン業務は民泊新法で以下のように規定されています。
第八条 住宅宿泊事業者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより届出住宅その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める場所に宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項を記載し、都道府県知事の要求があったときは、これを提出しなければならない。(引用元:民泊新法第八条)
チェックイン業務において重要な点は、宿泊者名簿を用意し、都道府県知事の要求があった時に速やかに提出できるようにすることです。
また宿泊者名簿を正確につけることで、犯罪防止につながったり、感染経路の特定につながったりします。このような目的もあるため、宿泊者名簿をつけることは民泊オーナーの義務の一つです。
民泊におけるチェックイン業務は本人確認をはじめ、いくつか項目があるため詳しく解説します。
民泊チェックイン時には本人確認が不可欠
民泊のチェックインには、本人確認が不可欠です。具体的に必要な確認内容は、以下の3つです。
- 宿泊者の住所
- 宿泊者の氏名
- 宿泊者の職業
また、外国籍の方には、追加で旅券番号(パスポートナンバー)と国籍の確認が必要になります。民泊は国内外問わず、不特定多数の宿泊客が利用します。チェックイン業務は、セキュリティ面・本人確認や、感染症の拡大防止を目的とする衛生管理の観点から必要とされています。
先にあげた3項目と訪日外国人宿泊者向けの追加2項目は必ずチェックするようにしましょう。
民泊チェックインの方法
民泊のチェックインの方法は、有人・無人の二つに分けられます。このうち、チェックイン対応として望ましいのは有人で宿泊者と対面してチェックインを行う方法です。
一方、最近では、カメラとシステムを利用した無人チェックインも普及しつつあります。有人の場合と無人の場合に分けてそれぞれ説明します。
有人でのチェックイン方法
民泊のチェックインは有人で、原則対面です。宿泊客と対面でチェックインすることで、その場でどのような宿泊客か把握することができます。
具体的な方法は以下の通りです。
- 紙を利用して宿泊者の住所・氏名や職業を記載してもらう
- 顔と名前が一致するよう、メガネや帽子を外してもらい本人確認を行う
- 外国籍の方は上記に加えて旅券番号と国籍を控える
- 外国籍の方にも記載してもらいやすいように英語・中国語や韓国語など多言語対応の用紙を用いる
対面方式にすると民泊スタッフ、宿泊者ともにお互いを確認し合うことが可能です。宿泊者にとって対面のチェックインは、民泊スタッフの顔を知れるため、不明点が問い合わせやすくなります。
不明点やトラブルが速やかに解消できると、民泊の高評価につながるため、原則対面でのチェックインが望ましいです。
無人でのチェックイン方法
無人でのチェックインはカメラとシステムを導入することで実現できます。簡単に説明すると、有人のチェックインと同等の設備があれば人間にかえることが可能で、具体的な方法は以下の通りです。
- 宿泊用チェックインシステムを導入する
- チェックインコードを発行する
- 画面に従い宿泊者にチェックインをしてもらう
- カメラを搭載して顔写真による本人確認を行う
民泊の受付にタブレットやスタンドの端末を設置し、必要項目を入力してもらうことでチェックインをします。本人確認は、民泊スタッフに連絡がいき、テレビ電話を用いてカメラ越しに確認する方法と、契約したオペレーターとテレビ電話をする代行があります。
システム導入と精度の高いカメラを設置することでチェックインの無人化ができるため、近年広まりつつある方法です。
民泊チェックイン業務の注意点
民泊チェックイン業務の注意点は個人情報の管理とチェックイン情報をゲストに事前に通知することです。
どちらもポイントをおさえれば簡単に実行できますので、順に説明します。
個人情報管理の徹底
民泊のチェックイン業務は原則対面で行います。民泊スタッフが対面で接客することで、スタッフの目でも正確に本人確認をしながら進めることが可能です。
ただし、管理上やむをえずセルフチェックインを採用する場合、個人情報保護の観点からゲストの情報は端末には保存せず、クラウド上で管理します。
また、紙に印刷した時はシュレッダーしてから処分するなどの個人情報の適切な廃棄が求められます。
チェックイン情報の事前通知
チェックイン情報の事前通知はゲストにスムーズかつ正確にチェックインをお願いするために必要です。
対面で対応する場合は、口頭やチェックフローを見せながら説明できますが、セルフチェックイン端末を使用する場合はPDFなどで手順を共有できると良いでしょう。
セルフチェックインの場合、端末の不備も考えられるため、緊急連絡先の共有も忘れずにすると、スムーズに対応ができます。
民泊チェックインシステムのおすすめ3選
民泊チェックインシステムのおすすめは以下の3つです。
- minpakuIN(xxx株式会社)
- OPEN SESAMI!(株式会社コモンプロダクツ)
- ABCチェックイン(xxx株式会社)
基本的な機能は各社変わらず、導入台数やオプションサービスにより月額利用料が異なります。民泊チェックインシステムを選ぶ際には、価格だけではなく、自分にあった機能の搭載があるか確認することが大切です。
minpakuIN(xxx株式会社)
minpakuIN(xxx株式会社) は民泊仲介業者大手であるAirbnbのパートナーサイトです。契約をすることで利用できるサービスは以下の通りです。
- 24時間対応のコールセンター
- リモートロック機能
- 宿泊サイト連携
- 自動メール送信
- 部屋割り機能
- 決済サービス連携
- カメラによる本人認証機能
- 宿泊者台帳入力機能
- パスポート情報取得機能
- 多言語(日本語・中国語・英語・韓国語)対応
「フロントの完全無人化」を掲げており、民泊運用において手厚いサポートがあるのが特徴です。利用料金(月額)は1台あたり2,480円〜5,000円で、契約プランにより異なります。なお初期費用10万円がかかります。
OPEN SESAMI!(株式会社コモンプロダクツ)
OPEN SESAMI!(株式会社コモンプロダクツ) は、AI顔認証を採用しているセルフチェックインシステムです。また、株式会社コモンプロダクツは個人情報の管理を適切に行う業者が取得できる、プライバシーマークを取得しています。
導入することで利用できる主な機能は以下の通りです。
- リモートロック
- カメラによる本人認証機能
- 宿泊者台帳入力機能
- パスポート情報取得機能
- 多言語(日本語・中国語(簡体語・繁体語)・英語・韓国語)対応
また、利用料金は月額(税込)1台あたり1,980円で、1ヶ月間の無料お試し期間があります。
3: ABCチェックイン(xxx株式会社)
ゲストごとに独自の番号を振り分けられる、リモートロック機能をはじめ、利用できる機能は以下の通りです。
- リモートロック
- カメラによる本人認証機能
- 宿泊者台帳入力機能
- パスポート情報取得機能
- 多言語(日本語・中国語(簡体語・繁体語)・英語・韓国語)対応
また、利用料金は月額(税込)で以下の通りです。
- 1部屋2,998円〜
- 2〜4部屋4,980円〜
- 5部屋以上9,980円〜
5部屋以上の契約で1ヶ月あたり約2,000円と割安になるため、部屋の数が多い物件を所有した際に活用したいサービスといえるでしょう。
チェックイン業務でゲストの満足度向上に繋げよう | まとめ
民泊のチェックイン業務は民泊新法で義務付けられています。民泊スタッフが対応するチェックインは原則対面です。
民泊対応のチェックインシステムを使用すると無人でのチェックイン対応が可能となり、近年急速に広まっています。
チェックイン業務を的確にし、不明点やトラブルを速やかに解決することで、ゲストの満足度につながるためご自分の民泊運用にあった方法を選んでください。