民泊の宿泊者名簿はなぜ必要?記載、回収の方法やポイントを徹底解説!

民泊を運営する上では、ゲストの情報を明記する宿泊者名簿が不可欠となります。しかしながら、この宿泊者名簿がなぜ必要なのか?いまいち理解していない方々が多いのも事実です。

そこで本記事では、民泊における宿泊者名簿の概要や重要性、また運用のポイントについて詳しく解説して参ります。

これから民泊を開業する方であれば、マストな内容となりますので是非とも最後までお読みください。

目次

民泊における宿泊者名簿とは?

宿泊者名簿とは、民泊を利用するゲスト情報(氏名、住所、職業等)を記載した名簿を指します。

また、宿泊者名簿は下記のような理由で運用が必要となります。

  1. 宿泊者と連絡を取るため
  2. 感染症患者のトラッキング
  3. テロの防止

民泊施設のホストやゲスト自身が個人情報を記載します。多くの民泊施設では、ゲスト自らが記載できるような工夫がとられています。

ゲストは全員宿泊者名簿への記入義務がある

宿泊者名簿は、旅館業法に基づいて情報記載が義務付けられています。

旅館業法(第6条第1項)営業者は、厚生労働省令で定めるところにより旅館業の施設その他の厚生労働省令で定める場所に宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の厚生労働省令で定める事項を記載し、都道府県知事の要求があつたときは、これを提出しなければならない(旅館業法施行規則)

そして、所属する都道府県知事からの開示要求があったときには、これを提出する必要があります。

これらを行わない民泊事業者には、改善命令ならまだしも、場合によっては、許可の取り消し又は営業停止命令が下されるリスクもあり、確実に遵守する必要があります。

宿泊者名簿に記入する項目とは?

宿泊者名簿に記入すべき項目は、次の2種類が存在します。

  1. 法律で決められた記入事項
  2. 条例で決められた記入事項

ここでは、各項目について詳しく解説していきます。

法律で決められた記入事項

法律で定められている記入項目には下記があります。

<全ての宿泊者>

  • 氏名
  • 住所
  • 職業

<日本に住所がない外国人宿泊者>

  • 国籍
  • 旅券番号

外国籍のゲストの場合には、氏名、職業に加え、国籍、旅券番号を控える必要があります。また、パスポートの写しを取得することで代用することも可能です。

条例で決められた記入事項

法律とは異なり、各地方の条例で定められた記入事項も存在します。

大阪市の場合には、次の内容を記載する必要があります。

  • 宿泊者の氏名
  • 宿泊者の住所
  • 宿泊者の職業
  • 宿泊日(住宅宿泊事業法のみ)
  • 旅券番号(宿泊者が外国籍の場合)

参考: 宿泊者名簿への記載事項について | 大阪市

大阪市の例のように、自治体によって内容が若干異なるため、運営する地域の自治体のルールを事前に確認するようにしましょう。

宿泊者名簿に記入してもらう方法

宿泊してくれるゲストには、下記のような方法で宿泊者名簿に情報を記載してもらいます。

  1. 民泊施設内に用紙を設置する
  2. 事前に記入フォームを送付する
  3. チェックインツールを活用する

各方法について詳しく解説していきます。

方法1: 民泊施設内に用紙を設置する

宿泊者名簿に情報記入してもらう方法として、民泊施設内に用紙とペンを置いておき、民泊ゲストに記入させる方法です。

一般的な手段としてよく行われますが、記入漏れが発生したり、手間がかかるなどの理由からあまりおすすめではありません。

方法2: 事前に記入フォームを送付する

次に、事前に記入フォームをゲストに送付し、スマホのブラウザ内で記入してもらう方法です。

用紙を活用した方法に比べ、スマートフォンで簡単操作ができることから、おすすめです。

自治体によっては、フォーム入力だけでは宿泊者名簿の情報記入を認めないこともあるため、用紙を現地に用意しておくことも必要となります。

方法3: チェックインツールを活用する

最後に、チェックインツールを活用する方法です。

チェックインツールとは、民泊で行われるチェックイン業務ができるタブレット用のアプリケーションです。

1タップでホストと通話する機能に加え、パスポート撮影機能などが搭載されており、大変便利なツールとなっています。

宿泊者名簿の運用上の注意点

宿泊者名簿を運用する際には、下記の点に注意が必要です。

  1. 宿泊者全員の記入が必須
  2. 本人確認が必要

ここでは、各注意点について説明します。

注意点1: 宿泊者全員の記入が必須

宿泊者名簿は、団体宿泊客であっても代表者の個人情報だけではなく、全員の情報記入が不可欠となります。

多くの民泊施設では、代表者情報だけ記載する運用がなされていますが、法律違反になるため注意が必要です。

注意点2: 本人確認が必要

宿泊者名簿は、個人情報を記入してもらうだけでなく、本人確認が不可欠です。

本人確認とは、記入された内容に偽りがないかを確認するための業務を指し、一般的にはフロントスタッフがお客様と対面で会話し確認することでクリアしています。

無人施設の場合には、備え付けの機器を活用して、ビデオ通話にて本人確認を実施するにもとが求められます。

宿泊者名簿を正しく運用しルールを守った民泊運営を心がけよう | まとめ

本記事では、民泊施設を運営する上で不可欠となる宿泊者名簿の概要や重要性、また運用方法について説明しました。

民泊施設を運営する上では、宿泊者名簿の運用が不可欠であり、民泊を運営する地域の条例を事前に確認することをおすすめします。

合同会社IDEALでは、大阪市を中心として民泊施設の開発、コンサルティング、運用代行など幅広くサービス提供を行っております。

これから民泊を開業する上で、どこから着手すればいいのかわからない場合には、いつでもお声がけください。

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