民泊におけるオーナーチェンジとは?起きる理由や注意点を解説

民泊を運用しているとオーナーチェンジという言葉を目にする機会があります。具体的には何をするのか、手続きはどうなのか気になりますよね。

この記事では、そもそもオーナーチェンジとは何か、起きる理由、注意点をわかりやすく解説します。最後まで読むと、オーナーチェンジは自分が所有する民泊、あるいはこれから購入予定の民泊で適切なのかがわかります。

オーナーチェンジをお考えの方はぜひ最後までお読みください。

目次

民泊におけるオーナーチェンジとは?

オーナーチェンジとは、マンションやアパートなどの不動産物件において所有者が変わることです。民泊も不動産の1つですので、前の所有者から引き継いで運用する場合、オーナーチェンジになります。

民泊のオーナーチェンジにより、民泊を運用するメリットは集客がある程度できている場合、1から集客せずとも一定の宿泊客が見込める点、前オーナーの設備をそのまま使用できる点、収支計算がしやすい点があげられます。

反対にデメリットは物件を得る際に、人気のエリアだと競争率が激しくなる点、認知されている民泊施設の場合、宿泊代金の値上げしにくい点です。

なお、オーナーチェンジして民泊を継続しても宿泊客にしてもらうことは特にありません。

民泊のオーナーチェンジが起きる理由

民泊のオーナーチェンジはどのような理由で起きるのでしょうか。主な理由が4つあるため紹介します。

理由1: より良い条件の物件購入のため

民泊を運用すると、より良い条件の物件に出会うことがあります。物件の購入にはまとまった資金やローンが必要です。

手落ちの物件を売却することで、まとまった資金が得られます。欲しい物件の頭金としてローンを組むことが可能なため、新たな物件の購入ができます。

民泊は周辺の利便性や宿泊客のニーズにより収益性が決まることが多いです。慎重な検討は必要ですが、より良い条件の物件にめぐり逢えたら、売却して購入することも運用する上では大切です。

理由2: 地価向上により売る

場所により土地価格が値上がりすることがあります。この時に民泊の収益や管理コストと比較して、物件の値上がり幅の方が大きい場合、売却による利益を得る選択肢があります。

民泊を運用していると収益よりも管理コストの方がかかってしまう場合も十分にありえるでしょう。地価が向上し、利益が出るのならば、思い切って手放すのも一つの方法です。

理由3: 銀行との取引実績のため

追加融資を受ける目的で銀行との取引実績にするため、民泊のオーナーチェンジを行う可能性があります。銀行は融資する項目に金融資産があり、審査の対象になります。

融資を受けるためには家族構成や収入(勤務先)の情報も必要ですが、民泊運営を複数考えている方は銀行との取引実績も大切な項目です。

理由4: 管理ができない状態になった

収益性の悪化、修繕の時期が近い、設備の故障による大規模な取り替えが必要など民泊には管理も必要です。管理は建物だけではなく、オーナーの健康状態など人間の健康面もあります。

このような状況で物件を手放す場合、手放す側も次に購入する側も理由を伝えること、知ることが大切です。

特に、次に購入する側は理由を知らないと、物件の修繕費や設備の買い替えなどの大きな負担を強いられます。

民泊のオーナーチェンジを行う際の注意点

一見メリットのあるオーナーチェンジですが注意点もあります。ありがちな2パターンについて説明します。

物件を購入して引き続き運営する注意点

以前民泊で利用していた物件を民泊のまま続ける方法について解説します。

市区町村の条例を確認する

民泊新法で法律上のルールが決められていますが、市区町村の条例でも民泊の運用が決められている場合があります。

例えば東京都では月曜日の正午から土曜日の正午までは民泊を禁止している自治体があります。この場合、営業できるのは土曜日の午後から月曜日の午前中までです。

民泊新法で宿泊日数は年間180日以内の運用ですが、条例に従い土日に2泊と仮定すると年間約144日で、180日分の収益は見込めません。

このように該当する市町村の民泊に関する条例をチェックすると、必ずしもオーナーチェンジ物件が好条件とは限らないでしょう。

民泊新法の届出を再提出する

民泊新法の届出の取り下げは前のオーナーが行っているか確認して、改めて新オーナーが届出を行う必要があります。

届出の再提出の手順は初めて届出を出す時と同じで、民泊運用代行業者に依頼することも可能です。また、条件によっては旅館業の許可をとった方が運用日数の制限もなくなるため、さらに収益化が見込める場合もあります。

届出の提出は条件や収益を見直す機会にもなるため運用状況もチェックしましょう。

民泊物件を普通の戸建てとして使いたい場合の注意点

民泊を戸建てにする場合は以下の2点に注意します。順に解説します。

廃業届が出されていることを確認する

民泊を普通の戸建てとして使う場合、廃業届が出されていないと、宿泊施設とみなされます。そのまま届出を出さないと、市町村が民泊をwebサイトで紹介している場合、宿泊者から問い合わせがくる場合があります。

また、宿泊地として情報が公開されたままになるため、事業者向けのDMや営業電話など対応に追われるでしょう。廃業届は民泊新法、旅館業法どちらかで出されているため、両方チェックすることがおすすめされます。

民泊サイトから情報削除されていることを確認する

民泊サイトは宿泊者に限らず、不特定多数の人が閲覧できます。このため、民泊サイトから情報が削除されていないと物件の所在地やアクセス情報が公開されたままになります。

戸建てで使用を続ける場合、個人宅の住所がサイト上に公開されてしまうことになり、宿泊客とサイトの信頼性を落とすことになりかねません。

この状況は防犯上も好ましくないため、何らかの犯罪に巻き込まれる可能性も否定できません。民泊サイトにログインし登録解除が行えるため、登録サイトを確認しましょう。

オーナーチェンジで効率的に民泊運営しよう | まとめ

民泊のオーナーチェンジは条件が揃えばさらに収益を増やすことも可能です。一方で管理条件や市町村の条例によっては購入した物件の収益性が好ましくないこともあるため見極めが大切です。

民泊のオーナーチェンジする理由にはより良い条件の物件の購入、地価向上のための売却などがありました。オーナーチェンジを適切に行うことで民泊営業の効率性を高めましょう。

目次