民泊事業は個人でも始められますが、気になるのが費用の面。開業に必要な資金を工面することが厳しい方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、民泊投資で利用できるローンについて解説します。民泊の運営パターンごとにわかりやすく説明していくので、ぜひ参考にしてみてください。
民泊ではローンが利用できるのか?
民泊事業を始めるにあたって、物件のほか、さまざまな設備や家具などを用意する必要があります。そのため、想定以上に費用がかさむことも少なくありません。
そんな時におすすめなのが、民泊専用のローンです。民泊でも事業用ローンを組んだり、なかには住宅用ローンを利用することができたりするケースもあります。
民泊事業の運営方法によって使えるローンの種類は異なりますが、審査が通過すれば、手持ちの資金が少なくても、過剰に不安になりすぎずに民泊を行うことができるでしょう。
民泊投資で利用できるローンの種類
民泊投資で利用できるローンには種類があります。「住宅ローン」と「事業用ローン」です。それぞれ特徴があるため、違いやその内容についてしっかり理解していきましょう。
住宅ローン
住宅ローンは、主に家を購入するときに金融機関などから資金を借りることのできるローンです。
また住宅ローンは他のローンと比べると、金利が低いケースが多いという特徴があります。安定した収入が見込めるようであれば、高額な家の購入も叶うでしょう。
ただ、たとえばすでに住宅ローンを組んでいる自宅で新たに民泊を始める場合、ローンの契約内容によっては事業の運営を認められないことがあります。
契約内容はよくチェックし、事業を始める際は契約会社に必ずその旨を知らせるようにしましょう。無断で民泊を行った場合、ローンの一括返済が求められるリスクがあります。
事業用ローン
居住用ではなく、事業で使うためであったり、家賃収入などを得たりするために利用できるのが事業用ローンです。
不動産投資をする場合は、不動産投資ローンと呼ばれることもあります。事業用ローンは住宅ローンよりも融資の上限が高く、場合によっては年収の20倍が上限となることも。
ただ、事業ローンは審査が厳しいのも1つの特徴です。契約者の年収や貯金のほかに、家の築年数や立地、家賃設定なども審査材料に含まれます。
参考: 1,000万円の資産運用方法とは?おすすめの投資と注意点について徹底解説|勤務医ドットコム
民泊投資で利用できるローン(運営パターン別)
民泊投資で利用できるローンには、民泊事業の運営パターンによっていくつかの種類があります。本章では、4つのパターンに分けてそれぞれの内容を詳しく解説します。
自分が行っている(行おうとしている)民泊の事業スタイルと照らし合わせながら、参考にしてみてください。
その1: 民泊新法の民泊(家主居住型)
民泊新法に基づく民泊を営む場合、家主の所在状況で利用できるローンに違いが出てきます。まず、家主が物件に居住している「家主居住型」の場合、居住スペースが建物の半分以上を占めていれば住宅ローンを利用できる可能性があります。
住宅ローンは事業用ローンと比べると金利が低いケースが多いため、事業運営に伴う出費を抑えられます。居住スペースが建物の半分に満たない場合、住宅ローンの活用が認められないこともあるのでその点は十分注意しましょう。
その2: 民泊新法の民泊(家主不在型)
民泊新法の民泊において、家主(経営者)は別の物件に居住し、民泊物件には家主がいないタイプを「家主不在型」といいます。
家主が住んでいるわけではないため、住宅ローンを利用することはできません。ローンを組みたい場合は事業用ローンを利用しましょう。
事業用ローンは審査が厳しい場合がありますが、物件を担保に入れ、民泊という比較的新しいビジネスの将来性を考慮されると、無担保よりも審査が通りやすくはなるでしょう。
その3: 旅館業法の民泊
旅館業法で民泊を行う場合、基本的には事業用ローンを組んで運営します。
また、旅館業法は国の金融機関である日本政策金融公庫の一般貸付の対象になっているので、こちらの審査を受けてみるのもおすすめです。
民間の金融機関と比べると低い金利でローンを組める場合があります。一般貸付のほかにも、女性や若い世代などを対象にした制度も整っているので、自分が利用できそうなものがあるかどうか調べてみるといいでしょう。
その4: 賃貸物件で行う民泊
賃貸物件で民泊を行う場合、担保にできる不動産がないため、事業用ローンを利用するのが一般的です。
また、自分が借りている賃貸物件をさらに別の第三者に使用させる「転貸」に当たるため、まずは必ず貸主であるオーナーの許可を取る必要があります。
転貸だけでなく、民泊事業を始めることも必ず伝えるようにしましょう。後々のトラブルを防ぐために、オーナーからの許可は書面でもらっておくと安心です。
民泊投資でローンを利用する際の注意点
民泊投資でローンを利用する場合、いくつか注意しておきたいポイントがあります。本章では主な注意点を2つ紹介します。スムーズにローンを組んで安心して民泊を運営していくために、注意点はしっかり押さえておきましょう。
注意点1: 精緻な収支シミュレーションを立てておく
ローンの審査にも大きく関わってくるため、より精緻な収支シミュレーションを立てるのがとても大切です。
しっかりと利益を出せるのか、利益を出せた場合はどの程度の金額になりそうなのか、細かく予想しましょう。収益を大きく左右させるのは、宿泊料金と稼働率です。
ただ、宿泊料金は高く設定しすぎると競合に客が流れてしまいますし、安すぎても利益が出ないので価格設定は慎重に見極めるのがポイントになってきます。
夏休みやGWのような客足が伸びるシーズンは料金を少し上げるのも1つの方法です。
注意点2: セカンドハウスでのローンは審査が厳しい
セカンドハウス専用のローンは、1軒目の住宅ローンよりも審査が厳しいといわれています。セカンドハウスはそもそも居住用ではなく、贅沢品として認識されるケースが多いようです。
また、一般的な住宅ローンは控除が受けられますが、セカンドハウスローンに控除はありません。
そのため、安定した経済力があるかどうかを厳しく判定されることが多く見受けられます。
ローン活用で効率的に民泊運営をしよう | まとめ
民泊事業は注目度が高まっていることもあり、よりビジネスを始めやすくするためにさまざまなローン制度が登場しています。
手元の資金だけでは運営が厳しくても、ローンを有効活用すれば事業を軌道に乗せることも叶いやすくなります。民泊の運営形態によってさまざまなローンを利用することができるため、ぜひ効率的な利用を検討してみてはいかがでしょうか。